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メインストーリー3章 アペンドストーリー テレメトサイト
こちらはゲーム内に実装予定だった会話劇用の台本となります。
そのため読みづらい箇所や想像しづらい箇所がある点、ご了承ください。
また、このアペンドストーリーは、メインストーリー3章「ネオチヨダ」シティ篇のその後を描いた後日談的な内容となっております。
話者 | セリフ/ト書き |
シーン1 | |
NINEの着信音 | |
三田三太郎 /NINE | おい! 今、手ぇ空いてるヤツいねぇか!? |
三田三太郎 /NINE | ちょっと手伝ってほしいことが あるんだけど! |
秋葉市之助 /NINE | どうしたでござる? 我々三兄妹なら、すぐ向かえるが |
千住百一太郎 /NINE | マジか! ありがてぇ! |
千住百一太郎 /NINE | なら、旧チヨダ市街まで来てくれねぇか? そこで三田と待ってるからさ |
秋葉市之助 /NINE | 承知した しばし待たれよ! |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
市之助、ひなぎく、才蔵が集まり、周囲を見渡す | |
秋葉市之助 | 百一太郎殿が言っていたのは この辺りでござろうか? |
秋葉ひなぎく | おふたりとも、どこにいるのでしょう? …あっ! |
三田と百一太郎がドローンと戦っている | |
ドローンを倒し、三田が汗を拭う | |
三田三太郎 | ふぅ、これで全部か? |
千住百一太郎 | ここらにいたのはな。 けど、次から次へと湧いてきやがる。 |
秋葉市之助 | 三田殿! 百一太郎殿! |
秋葉市之助 | 遅参仕り、申し訳ない! |
三田三太郎 | おお、来たか! わりぃな、急に呼んだりして。 |
秋葉ひなぎく | 大丈夫にゃ! それより、このドローンは? |
千住百一太郎 | 聞いてくれよ! 実はさぁ―― |
千住百一太郎 /回想 | この奥だっけ? ネオチヨダで有名なラーメン屋があるの。 |
三田三太郎 /回想 | ああ。なんでも、店主がメイドさんの格好して 切り盛りしてるらしいぜ? |
三田三太郎 /回想 | ひらっひらのメイド服で キレッキレの湯切りを見せてくれるんだってよ! |
千住百一太郎 /回想 | はぁ? なんだよ、それ~。 ちゃんとうめぇんだろうな? |
??? /回想 | ――ふぇぇ~んっ! 助けて~~~っ!! |
/回想 | 三田と百一太郎が声に気づく |
千住百一太郎 /回想 | な、なんだ!? 子供がドローンに襲われてる!? |
三田三太郎 /回想 | よくわかんねぇけど… 行くぞ! 百一太郎! |
千住百一太郎 /回想 | おう! |
千住百一太郎 | ――って感じで、 この辺りでドローンが暴れまくっててさ。 |
三田三太郎 | 最初は俺達で対処してたんだけど それじゃ手が足りなくてよ。 |
三田三太郎 | それで、NINEグループに連絡入れたってワケ。 |
秋葉才蔵 | なるほどね。 ちょっと見せて。 |
才蔵がドローンへ近づき、調べる | |
秋葉才蔵 | ! これは…。 |
秋葉市之助 | どうしたでござる? |
秋葉才蔵 | 見て、ここ。 鳳家の刻印が入ってる。 |
千住百一太郎 | ああ!? 鳳家だぁ? |
秋葉市之助 | ということは…。 |
秋葉才蔵 | 鳳家が所有していたドローンだろうね。 |
秋葉才蔵 | どういう理由かわからないけど それが暴走して、みんなを襲ってるのかも。 |
三田三太郎 | やべぇじゃねーか! 鳳家のドローンなら、かなりの量がいるだろ!? |
秋葉市之助 | うむ…! 手分けして、ドローン達を止めなければ。 |
秋葉ひなぎく | ですが、この付近は崩れそうな場所も多いはず。 私達はともかく、おふたりは危険なのでは? |
秋葉市之助 | それなら問題ない。 そのような場所は、拙者が担当すれば済む。 |
秋葉才蔵 | なら、せめてG&Oカンパニーの 移動用簡易装置・テレメトサイトを借りたら? |
秋葉才蔵 | プロトタイプだから、長期間の使用は難しいけど 即設置できるみたいでさ。 |
秋葉才蔵 | 活動維持ユニットみたいに、 設置した場所にすぐ移動できるんだって。 |
秋葉市之助 | ほう…それは興味深いでござる。 |
秋葉市之助 | 五反田殿に依頼すれば 取り計らってくれるだろうか? |
秋葉才蔵 | 多分ね。 聞いてみるから、少し待ってて。 |
![]() | |
秋葉市之助 | おお! これがそのテレメトサイトでござるか。 |
千住百一太郎 | マジであっという間だったな。 けど…。 |
千住百一太郎 | なんで市之助の顔が描いてあるんだ? |
秋葉才蔵 | 言ったでしょ? プロトタイプだって。 |
秋葉才蔵 | 色々と制限があるらしくてさ。 今回は市之助兄さんひとりしか使えないらしいよ。 |
三田三太郎 | なんだ~。 俺も使わせてもらうつもりだったのに。 |
三田三太郎 | 市之助だけに危ねえとこ任せるとか 気が引けるんだよなぁ。 |
秋葉市之助 | 気遣い感謝でござる。 だが、案ずることはない。 |
秋葉市之助 | 拙者にとって、ここは我が家同然でござる。 |
秋葉市之助 | さて、そろそろ出立しよう。 皆の者、先ほどの打ち合わせ通り頼むぞ。 |
千住百一太郎 | おう! 各々別の方向から攻めてって なんかあったら報告な。 |
秋葉才蔵 | で、僕だけネット環境のいい hina☆cafeに戻って、みんなのサポートと…。 |
秋葉才蔵 | 鳳家のドローンについて、詳しく調査ね。 |
秋葉市之助 | いかにも。 それでは…。 |
秋葉市之助 | 皆の者の健闘を祈る! |
シーン2 | |
NINEの着信音 | |
秋葉才蔵 /NINE | hina☆cafe到着 |
秋葉才蔵 /NINE | 帰る途中で、兄さんに会いたいって人と すれ違った |
秋葉才蔵 /NINE | テレメトサイトの場所を教えておいたから 話を聞いてあげて |
秋葉市之助 | はて? 拙者に会いたい人とは…。 |
秋葉市之助 | よくわからぬが、先ほどの場所へ戻ってみるか。 |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
??? | すみませーん! トラッシュトライブの秋葉さんですかー? |
市之助を見つけたかやきえが走ってくる。 | |
秋葉市之助 | そうでござるが… もしや、お主が才蔵が言っていた? |
茅町記恵 | はい。私、茅町記恵… 通称『かやきえ』と申します! |
茅町記恵 | フリーの取材ライターで、ネオトーキョー国の 事件全般を取材対象にしているんです。 |
茅町記恵 | 以前にも、トラッシュトライブの方々に 情報提供をお願いしたことがあるんですよ。 |
秋葉市之助 | ほう? ということは、今日も? |
茅町記恵 | ええ! ドローンが暴走して、 近隣住民の方々が襲われていると聞きました。 |
茅町記恵 | そこで! ドローン退治に乗り出した皆さんに インタビューさせていただけないかと! |
秋葉市之助 | なるほど… しかし、今は対処し始めたばかりでな。 |
秋葉市之助 | かたじけないが、有益な情報は少ないと思うぞ? |
茅町記恵 | そうですか…であれば、インタビューはあとにして ひとつだけ、お願いをしてもいいですか? |
茅町記恵 | ドローンとの戦闘中に、珍しいアイテム…。 |
茅町記恵 | 《メタフィルム》を見つけたら、 是非、持ち帰っていただきたいんです! |
秋葉市之助 | すまぬ、かやきえ殿。 それはもしや…。 |
秋葉市之助 | 鳳家の高価な品を 盗んでこいということか…? |
茅町記恵 | ち、違います! |
茅町記恵 | 《メタフィルム》は、鳳家の御右筆が残した文書を デジタル化してまとめたアイテムでして! |
茅町記恵 | 今も各シティに眠る貴重な資料として、 諸々の調査に使用したいんです。 |
茅町記恵 | 場合によっては、博物館などに寄贈できますし 決して、私利私欲のためでは! |
秋葉市之助 | そうか。 失敬、早とちりしたでござる。 |
秋葉市之助 | そのような目的であれば、喜んで協力しよう。 |
茅町記恵 | よろしくお願いします! では、私はこの辺りに 待機していますので、いつでもお声がけください! |
シーン3 | |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
市之助が周囲のドローンを掃討する | |
秋葉市之助 | この辺りは片付いたか…。 |
通信開始音 | |
秋葉才蔵 /通信 | みんな、調子はどう? |
秋葉市之助 | 問題ないでござるよ。 今から別の場所へ移動するところだ。 |
秋葉ひなぎく /通信 | 同じくです! ドローンについて、何かわかりましたか? |
秋葉才蔵 /通信 | それはまだ。みんながドローンを倒せば倒すほど、 僕のところにデータが届くようになってるから…。 |
秋葉才蔵 /通信 | 引き続きよろしく、って感じかな。 |
秋葉才蔵 /通信 | ところで兄さん、かやきえさんには会えた? |
秋葉才蔵 /通信 | インタビューなんてわからないから、 兄さんの方に行くように言っちゃったんだけど。 |
秋葉市之助 /通信 | 問題ないでござる。 ただ、少しばかり頼みごとをされてな。 |
時間経過 | |
三田三太郎 /通信 | ほっほーう…? 《メタフィルム》ねぇ…。 |
三田三太郎 /通信 | 鳳家っつったら、王族だからな。他にも、金銀財宝が ザクザク出てきたりして…! ぐふふ…っ! |
秋葉ひなぎく /通信 | にゃにゃっ!? なんなんだお、その顔! 泥棒さんの顔にゃ!! |
秋葉市之助 | 三田殿…そのような振る舞いをされるなら 一足先にお引き取り願いますぞ? |
秋葉市之助 | 我らは王次郎様にお仕えする身。主に顔向け できぬ行いは、断じて許せませぬ。 |
三田三太郎 /通信 | そ、そっか。わりぃ。 |
秋葉才蔵 /通信 | まぁ、そこまで真剣に 考えなくてもいい気がするけどね。 |
秋葉才蔵 /通信 | っていうか、市之助兄さんやひなぎくが何をしても 最近の王次郎様は、興味なさそうだし。 |
秋葉市之助 | !!!!!! |
秋葉ひなぎく /通信 | !!!!!!???? |
秋葉ひなぎく /通信 | なっ、なんてことを! 取り消してください、才蔵兄様!!! |
秋葉市之助 | そうでござる…! 王次郎様が、我らに興味ないなど…! |
秋葉才蔵 /通信 | いや、自分達だって似たようなこと言ってたじゃん。 僕としては、どっちだっていいし。 |
千住百一太郎 /通信 | ? なんの話だ? |
秋葉才蔵 /通信 | 三田さん達に呼ばれる前さ、僕達3人で hina☆cafeにいたんだよね。 |
秋葉才蔵 /通信 | そのとき、このふたりが 『最近の王次郎様は変だ』ってうるさくて。 |
秋葉市之助 | うるさいとはなんだ! 我らのこの寂しさ、切なさ! お主にもわかるだろう!? |
秋葉市之助 | 以前の主なら、泰然としたご様子で 我らの言葉に耳を傾けてくださったというのに…。 |
秋葉市之助 | ここ最近は、声を掛けようにも どこか緊張した面持ちでやんわりと拒否され! |
秋葉市之助 | hina☆cafeにも、 ほとんど足を運んでくださらない! |
秋葉ひなぎく /通信 | ようやく来てくださったかと思えば 真面目な話だけされて帰ってしまいますしね。 |
秋葉ひなぎく /通信 | 何より、カズキさんが四六時中そばにいて 私達の話を逸らしてくるのが…! |
秋葉市之助 | な…っ!? よさないか! カズキ殿は王次郎様の大切なご友人なのだぞ!? |
秋葉市之助 | ましてや、王次郎様は民の前で ネオチヨダシティを正してみせると誓ったばかり。 |
秋葉市之助 | おふたりで相談し、決めるべきことも多いのだろう。 本当は、拙者達にも頼っていただきたいが…。 |
千住百一太郎 /通信 | アイツらはなぁ。 俺が初めて会ったときから、そんな感じだし? |
三田三太郎 /通信 | そもそも、Qって基本無口だろ? あんま変わったように思えねーけど…。 |
千住百一太郎 /通信 | あっ! ならよぉ、XBの話とか振ってみれば? |
千住百一太郎 /通信 | アイツ、無口ではあるけど面倒見はいいみたいだし! XBのこと質問すると、色々教えてくれるぜ!? |
三田三太郎 /通信 | あー…そういうことなら 俺にも一個、提案させてくれよ。 |
三田三太郎 /通信 | 今日はかやきえちゃんの頼みもあって 《メタフィルム》を持ち帰る予定だろ? |
三田三太郎 /通信 | なら、そのついでに 貴重なXBギアとか探してみねぇ? |
三田三太郎 /通信 | ソイツを持ち帰れば、流石のQも テンションブチ上がると思うんだよな。 |
秋葉市之助 | それは名案でござる…! 昔話に花が咲くかもしれぬ。 |
秋葉ひなぎく /通信 | やりましょう、兄様! 私達の力で、王次郎様にお喜びいただくのです! |
秋葉才蔵 /通信 | えぇ、大変そう… 僕の方じゃ、ギアの反応は掴めそうにないしなぁ。 |
秋葉才蔵 /通信 | まぁ、無理しない程度に頑張って。 |
秋葉市之助 | 任せるでござる。 |
秋葉市之助 | この秋葉市之助、必ずや主のために XBギアを持ち帰るぞ!! |
シーン4 | |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
市之助が周囲のドローンを掃討する | |
秋葉市之助 /モノローグ | ギアを持ち帰るとは言ったものの… それらしいものが、まったく見当たらんでござるな。 |
秋葉市之助 | はてさて、どうしたものか…。 |
通信開始音 | |
千住百一太郎 /通信 | よーっす! みんな、調子どうだー!? |
千住百一太郎 /通信 | 実はさ! 俺、めーっちゃカッコイイもん見つけたんだけど! |
秋葉ひなぎく /通信 | にゃにゃっ!? もしかして、XBギアにゃ!? |
千住百一太郎 /通信 | そうじゃねぇんだけどさ! なんつーんだっけな、コレ。鬼…じゃなくて…。 |
千住百一太郎 /通信 | …うっ!? |
百一太郎の通信が途絶する | |
三田三太郎 /通信 | あ? なんだ? |
秋葉ひなぎく /通信 | 通信、切れちゃったんだお? |
秋葉市之助 | …はっ!? もしや… 新手のドローンに、襲われているのでは!? |
三田&才蔵&ひなぎく /通信 | ええっ!? |
秋葉ひなぎく /通信 | それはまずいにゃ! 早く助けに行くにゃ!! |
三田三太郎 /通信 | 才蔵! 百一太郎の居場所、俺達に送れるか!? |
秋葉才蔵 /通信 | 今、送った。 各々の最短ルートも、わかるようにしてあるよ。 |
秋葉市之助 | 感謝でござる! 急ぐぞ、三田殿! ひなぎく! |
シーン5 | |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
倒れている百一太郎を発見する | |
三田三太郎 | ――いたぞ、あそこだ! |
秋葉市之助 | 大丈夫か、百一太郎殿! |
千住百一太郎 | あれ? お前ら、どうして…? |
秋葉ひなぎく | 百一太郎くんの通信が途切れたから 心配になって来てみたのにゃ! どこか怪我でも―― |
百一太郎のお腹が鳴る | |
市之助&三田&ひなぎく | ……………… |
千住百一太郎 | …あーーー。 |
千住百一太郎 | わりぃわりぃ! 腹減って動けなくなっちまってさ! |
千住百一太郎 | そんで、しゃがんだ拍子に通信切れちまって…。 |
三田三太郎 | はぁ~っ!? テメェ、ふざけんなよ~~~!? |
秋葉ひなぎく | 心配して損したんだお…! |
秋葉市之助 | ははっ、まあ無事だったのなら何よりでござる。 |
秋葉市之助 | そういえば、ふたりは ラーメン屋に行くところだったそうだな? |
三田三太郎 | ああ。 この騒ぎのせいで、結局行けなかったけどな。 |
三田三太郎 | 思い出したら、俺も腹減ってきた。 |
秋葉市之助 | それなら、いいものがあるでござる。 |
秋葉市之助 | 百一太郎殿のことを才蔵に報告してから 少し休憩するとしよう。 |
時間経過 | |
千住百一太郎 | …うおおお~っ!! 市之助がくれた団子、めちゃくちゃうめぇーっ!!! |
秋葉市之助 | そうでござろう? ネオチヨダシティで 拙者が一番気に入っている和菓子屋のものでな。 |
秋葉市之助 | 喉に詰まらないよう、よく噛んで食べるように。 一緒に緑茶も合うでござる。 |
千住百一太郎 | ヘヘッ、サンキュー! |
三田三太郎 | なんかわりぃな。 色々わけてもらっちまって。 |
三田三太郎 | けど、なんで団子なんて持ってたんだ? |
秋葉ひなぎく | 市之助お兄ちゃんは、お団子が大好物なんだお。 だからときどき持ち歩いてるんだにゃ。 |
秋葉市之助 | 一番の好物は、ひなぎくの手料理であるが。 ともあれ人数分の団子があってよかったでござる。 |
千住百一太郎 | …俺、さっきQのこと 面倒見がいいって言ったけど。 |
千住百一太郎 | もしかして、市之助もそういう感じか? 今だって、色々世話焼いてくれてるし。 |
秋葉市之助 | そうでござるか? 自分ではよくわからんが…。 |
秋葉市之助 | 小さい頃から、才蔵やひなぎくの面倒を見ていた。 そのせいかもしれぬ。 |
三田三太郎 | あ、そういえば! |
三田三太郎 | 百一太郎が言ってた『めーっちゃカッコイイもん』 って、結局なんのことだったんだ? |
千住百一太郎 | あっ、そうだった! お前ら、これを見ろ! |
百一太郎が般若の面を取り出す | |
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千住百一太郎 | じゃじゃーーーん!!! カッケェだろ!!? これ、絶対鳳家のお宝だぜ!? |
秋葉市之助 | む? それは…。 |
三田三太郎 | ゲッ! それって…。 |
千住百一太郎 | なんだよ、みんな知ってんのか? |
三田三太郎 | ああ。 昔、王次郎の取り巻きがしてた般若面だ。 |
三田三太郎 | おんなじ格好したヤツらがうじゃうじゃいてさぁ。 どいつもこいつも強えし…こえーのなんのって。 |
秋葉市之助 | ははは… それは申し訳なかったでござる…。 |
秋葉ひなぎく | 昔からのしきたりだったから どうしても外せなかったのにゃ…。 |
三田三太郎 | そりゃあ、お前らにも都合があったと思うぞ? けど、相手するこっちの身にもなって―― |
三田三太郎 | …って、え? も、もしかしてお前ら…。 |
三田三太郎 | あの集団の中にいたのか!!!??? |
秋葉市之助 | 面目ない… 実は、そうなのでござる。 |
秋葉市之助 | あの般若面の一派は、鳳家直下の 『秋葉忍軍』と呼ばれる集団でな。 |
秋葉ひなぎく | 秋葉家に生まれた者は、厳しい修行に耐え 『秋葉忍軍』に所属する決まりだったのにゃ。 |
三田三太郎 | マジかよ…! っつーことは、もしかして…。 |
三田三太郎 | 俺らや百一太郎の兄貴とも やり合ったことがあるってことか!? |
秋葉市之助 | そ、そうでござるなぁ。 あったような、なかったような…? |
秋葉ひなぎく | …でも。 |
秋葉ひなぎく | 知ったところで あんまり意味はないかもしれないにゃ。 |
三田三太郎 | え? |
秋葉ひなぎく | 秋葉忍軍の掟は『個を捨て、軍となれ』 あそこにいたときのひな達は…。 |
秋葉ひなぎく | 自分の名前も、意思も… 何ひとつ、持つことを許されていなかったから…。 |
三田三太郎 | ……………… |
通信開始音 | |
秋葉才蔵 /通信 | ちょっといい? ドローンについて少しわかったから、共有させて。 |
秋葉才蔵 /通信 | あいつら、どこから湧いてきたのかと思ってたけど… つい最近まで、U-DXロボに従ってたみたいだ。 |
秋葉ひなぎく /通信 | U-DXロボ… つまり、曲田が使っていたということですか? |
秋葉才蔵 /通信 | 当たり。 好き勝手にプログラムを書き換えたんだろうね。 |
秋葉才蔵 /通信 | けど、この間 U-DXロボは王次郎様が破壊したでしょ? |
秋葉才蔵 /通信 | それがきっかけで、本来の用途である 鳳家の防衛システムが再起動…したのはいいんだけど。 |
秋葉才蔵 /通信 | もとのプログラムが、壊れちゃってたみたいで。 その結果が今、って感じ。 |
秋葉市之助 | まっ、待て! ということは…。 |
秋葉市之助 | U-DXロボを壊されなければ このような事態にはならなかったということか…? |
秋葉才蔵 /通信 | そういうことになるね。 だからって、王次郎様が悪いとは思ってないけど。 |
秋葉市之助 | 無論だ! あの方のしたことは間違っていない! だが…。 |
秋葉市之助 | 責任感の強い主のことだ。 この件がお耳に入れば…。 |
秋葉市之助 | …三田殿、百一太郎殿。 これは我らの我儘なのだが。 |
秋葉市之助 | 今回の一件、王次郎様が知る前に片を付けたい。 協力してはくれぬか? |
三田三太郎 | いいぜ。 どっちにしろ、解決は早い方がいいだろうしな。 |
秋葉市之助 | 恩に着るでござる…!! |
秋葉ひなぎく | あの、市之助兄様。 |
秋葉ひなぎく | こうなると、やはりXBギア探しは またの機会の方がよいのでは? |
秋葉ひなぎく | すべてのドローンを破壊するのであれば それなりに時間がかかるでしょうし。 |
秋葉市之助 | くっ、そうでござるな。 口惜しいが…。 |
秋葉才蔵 /通信 | …いや、ギア探しは続けてほしいかな。 |
秋葉才蔵 /通信 | 色々見て回るせいか、探しながらの方が ドローンとの遭遇率が高かったんだ。 |
秋葉才蔵 /通信 | それに、どっちにしろ全部のドローンを 破壊するっていうのは、現実的じゃない。 |
秋葉才蔵 /通信 | 僕の方で、奴らの制御方法を探ってみるから それまで時間稼ぎをしてくれない? |
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秋葉ひなぎく | わかり、ました… 兄様がそう言うのであれば、ありがたく。 |
秋葉才蔵 /通信 | 別に。役割分担ってだけだよ。 ギア探しは僕にはできないからね。 |
シーン6 | |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
三田三太郎 | なぁ、気になったんだけどよ…。 |
三田三太郎 | 秋葉兄妹って、なんで そんなにQのこと好きなんだ? |
秋葉ひなぎく | はにゃ? |
秋葉市之助 | なぜ…? |
三田三太郎 | だってよぉ、ぶっちゃけ昔の王次郎って 普通に悪人だっただろ。 |
三田三太郎 | 詳しくは知らねぇけどさ、般若面のヤツらだって たいして扱いよくなかった気がするぜ? |
秋葉市之助 | ……………… |
秋葉市之助 | そう、でござるな… 言わば、王次郎様は…。 |
秋葉市之助 | 我々を救ってくださったのだ。 |
秋葉市之助 | 先ほど、ひなぎくが言った通り秋葉忍軍は 『個を捨て、軍となれ』が掟でござった。 |
秋葉市之助 | それは我々にとっても 歴代の当主達にとっても、当たり前のこと。 |
秋葉市之助 | しかし、一部の忍達にとっては 虚しさを感じさせるものだった。 |
秋葉ひなぎく | ですが、そんな中で王次郎様だけは違ったんです。 |
秋葉ひなぎく | あるとき、私達三兄妹が XBのお相手をしていたら―― |
鳳王次郎 /回想 | ――お前達、なかなか腕が立つな。 名はなんと言う? |
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秋葉市之助 /回想 | はっ! 秋葉市之助、才蔵、ひなぎくと申します! |
鳳王次郎 /回想 | 秋葉市之助、才蔵、ひなぎく…か…。 |
鳳王次郎 /回想 | 覚えておこう。 今後も手を抜かず、鍛錬に励め。 |
秋葉三兄妹 /回想 | …!! |
秋葉市之助 /回想 | 勿体ないお言葉、恐悦至極にございます…! |
秋葉ひなぎく | あのときのことは、一生忘れられません。 |
秋葉市之助 | うむ…思い出すだけで、目頭が熱くなるでござる。 |
秋葉市之助 | それからというもの、王次郎様は本当に 我々のことを覚えてくださってな。 |
秋葉市之助 | 以来、拙者達は 一生あの方にお仕えしようと誓ったのでござる。 |
三田三太郎 | そうだったのか… 当時はどう見てもヤバいヤツって感じだったけど。 |
三田三太郎 | お前らにとっては、いい主君だったんだな。アイツ。 |
千住百一太郎 | てかさ、やっぱQってXB好きすぎじゃね? |
千住百一太郎 | 市之助達と仲良くなったきっかけも XBだったなんて、筋金入りすぎるだろ。 |
三田三太郎 | だよなぁ~。なのに、贖罪かなんか知らねぇけど 普通の釘バット振り回しやがって…。 |
三田三太郎 | 見てるこっちがヤキモキするっつーの。 いい加減、ちゃんとしたギア使ってほしいよな。 |
秋葉市之助 | まさか…三田殿は、そのために ギア探しの提案をしてくださったのでござるか? |
三田三太郎 | まぁ、アイツにとっちゃ 余計なお節介かもしれねぇけどな。 |
三田三太郎 | けど、誰かが背中押してやらねぇと 踏み出しにくいことって、あると思うからさ。 |
秋葉ひなぎく | み、三田くん…! ありがとうございます…! |
秋葉市之助 | お心遣い、感謝申し上げる…! |
三田三太郎 | おいおい。礼を言うのは早いんじゃねーか? そういうのは、ギアが見つかってからにしろよ。 |
千住百一太郎 | だな! 今の話聞いたら、手ぶらでなんか帰れねぇ。 |
千住百一太郎 | 秋葉兄妹は、今まで見た場所以外に ギアがありそうな心当たりとかねーのかよ? |
秋葉ひなぎく | …あっ! そういえば…! |
秋葉ひなぎく | あの付近なら 貴重なXBギアが残っているかもにゃ! |
シーン7 | |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
秋葉市之助 | ここは… 確か、外部倉庫があった辺りでござるな? |
秋葉ひなぎく | はい! 天心様や王次郎様の秘書を務めて いらっしゃった方が、よく出入りをしていたんです。 |
秋葉ひなぎく | その方は、おふたりのためにXBギアの研究や 収集も行なっていたらしくて。 |
秋葉ひなぎく | 他の場所より、貴重なXBギアや その手掛かりがあるのではないかと! |
三田三太郎 | なるほど。 闇雲に探すよりはいいかもな。けど…。 |
三田三太郎 | やっぱ、他の場所と一緒でかなり荒れてるな。 どこも崩れまくってるし。 |
秋葉市之助 | ひとまず、手分けしてXBギアがないか探してみるか。 |
時間経過 | |
千住百一太郎 | うーん、ないなぁ。 |
千住百一太郎 | 一応、XBギアの破片みたいなものは あるんだけど。 |
三田三太郎 | 使えそうなものは、それこそ 盗まれちまったのかもしれねぇな。 |
三田三太郎 | なんだかんだいって、チヨダ城が墜ちてから 結構経ってるし…。 |
市之助が何かを調べている | |
秋葉ひなぎく | 兄様、それは? |
秋葉市之助 | 金庫…のようでござるな。 瓦礫の中に埋まっておった。 |
千住百一太郎 | おお! 中になんか入ってるかもな! 市之助、それ壊せるか? |
秋葉市之助 | 任されよ。では…。 |
秋葉市之助 | はっ! |
市之助が金庫の錠を破壊する | |
秋葉ひなぎく | 開きましたっ! やはり、何か保管されているようです。 |
三田三太郎 | けど、ギアじゃなくてなんかの資料みてぇだな。 …ん? |
三田三太郎 | …なんだぁ? この資料…。 |
秋葉市之助 | 病院のカルテのようでござるな。 年齢は疎らだが、少年達の写真が貼ってある。 |
千住百一太郎 | 証明写真みたいなヤツと、XB中の写真があるな。 こっちには…ん? |
千住百一太郎 | うわっ!? なんだこれ! |
千住百一太郎 | コイツ、怪我してる…! スゲー痛そう…。 |
三田三太郎 | うわ、エグ… 百一太郎、お前あんま見んな。 |
千住百一太郎 | が、ガキ扱いすんじゃねぇよ!? 別に平気だし! |
千住百一太郎 | えっと、なになに…? |
千住百一太郎 | 『複雑骨折ののち、再起不能』…? 『協議の結果、早急に処分』…!? |
千住百一太郎 | …おい。おいおいおいっ! 処分ってなんだよ!? 人間相手に、そんなこと言っていいのか!? |
三田三太郎 | 俺が知るかよ!? 怖えならもう見るなって! |
秋葉市之助 | こちらも似たような記録ばかりだ。 まさか、この資料は―― |
ひなぎくが資料を取り落とす | |
三田三太郎 | ひなちゃん!? |
千住百一太郎 | ど、どうしたんだよ? なんで泣いてんだ…? |
秋葉ひなぎく | す、すみません…ですが…っ。 耐えられなくて…っ! |
三田が資料を拾い上げる | |
三田三太郎 | う、嘘だろ? この写真…! |
![]() | |
三田三太郎 | 王次郎と、カズキじゃねぇか…! |
秋葉市之助 | !!! |
秋葉市之助 | つまりこれは… 次期当主候補を選出するための研究資料、でござるか。 |
千住百一太郎 | な…なんだよ、それ…! 意味わかんねぇよ!! |
秋葉市之助 | これは、あくまで噂で… 我らも詳しい話は聞かされていないのだが…。 |
秋葉市之助 | かつて、天心様は孤児院から少年達を引き取り 最強のXBプレイヤーに育成しようとしたらしい。 |
秋葉市之助 | そして最終的に、その試験に残った者を お世継ぎに選んだ…と。 |
三田三太郎 | 俺も、軽くだけどカズキに聞いたことがある。 けど…。 |
三田三太郎 | ここまでヒデェことされてたなんて!! |
秋葉ひなぎく | うっ、うっ…! こんなの、あんまりです…!! |
秋葉市之助 | ……………… |
千住百一太郎 | …どうすんだよ、それ。 |
秋葉市之助 | わからぬ… だが、このまま放置することはできぬ。 |
秋葉市之助 | ひとまず持ち帰って、対処を考えるでござる。 |
通信開始音 | |
秋葉市之助 | 才蔵か。どうした? |
秋葉才蔵 /通信 | 今って、全員揃ってる? ドローンを止める方法がわかったんだけど。 |
千住百一太郎 | 本当か!? みんな一緒にいる、いつでも動けるぞ! |
秋葉才蔵 /通信 | OK。さっき、ドローン達は 元々U-DXロボに従ってたって伝えたよね? |
秋葉才蔵 /通信 | プログラムが書き換わった今、同じように ある一体のドローンが司令塔の役割を担っているんだ。 |
秋葉市之助 | では、そのドローンを破壊すればいいのか? |
秋葉才蔵 /通信 | うん。そうしたら 一定時間だけど、全ドローンが停止するはずだから…。 |
秋葉才蔵 /通信 | 隙を見て、僕がプログラムを書き換える。 それで、すべての操作権限を奪えるはずだよ。 |
千住百一太郎 | なら簡単じゃん! 全員で行けば、ワンパンだろ! |
三田三太郎 | ああ! 早速ソイツがいる場所に―― |
秋葉才蔵 /通信 | あ~…そうしたいのは、山々なんだけど その場所、市之助兄さんにしか行けないエリアなんだ。 |
秋葉才蔵 /通信 | だから、3人には 周囲にいるドローンを引きつけておいてほしい。 |
秋葉才蔵 /通信 | 兄さんが少しでも動きやすいようにね。 |
千住百一太郎 | ちぇ~。 そういうことなら仕方ねぇな。頼むぜ、市之助! |
三田三太郎 | 背中は俺らが守っとく。 バッチリかましてこい! |
秋葉ひなぎく | 司令塔の退治、よろしくお願いします! 市之助兄様! |
秋葉市之助 | ああ、任せておけ。 行って参る! |
シーン8 | |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
通信開始音 | |
千住百一太郎 /通信 | ん…!? |
千住百一太郎 /通信 | なんだよ、そこ! めちゃくちゃXBギア落ちてねぇか!? |
三田三太郎 /通信 | 通信画面じゃよく見えねぇけど お宝もありそうだな! |
秋葉市之助 | 面妖な…まるで、城内に残っていた貴重品が すべて集められているような―― |
市之助の足元にドローンの攻撃が着弾 | |
奥にドローンを発見する | |
秋葉才蔵 /通信 | いた! あれが司令塔だ! |
秋葉市之助 | 承知! すぐに破壊して―― |
秋葉市之助 | いや、待つでござる! あれは…。 |
ドローンの背後に、ビームバットを発見する | |
みんな /通信 | ビームバット!!!?? |
三田三太郎 /通信 | まさか! なんでそんなもんがあるんだよ!? |
秋葉市之助 | 強さとは、常に進化するもの…。 新たなものを開発していたのかもしれぬな。 |
秋葉市之助 | 完成し次第、王次郎様に 献上するつもりだったのではないか? |
秋葉ひなぎく /通信 | 可能性はありますね…! ですが、どうしてこんなところに? |
秋葉才蔵 /通信 | そうか…! こいつらは、バグってても警護用のドローン。 |
秋葉才蔵 /通信 | チヨダ城はこの有り様だし 守るべき人達も残っていなかったから…。 |
秋葉才蔵 /通信 | せめて、貴重品だけは守ろうと 自分達でかき集めたのかも。 |
千住百一太郎 /通信 | 健気なもんだな。コイツらはコイツらなりに 鳳家を守ってた、ってことか。 |
秋葉市之助 | …しかし、だからと言って 住民を傷つけることは許されぬ。 |
秋葉市之助 | 悪いが…お主にはここで倒れてもらうぞ! |
シーン9 | |
ネオチヨダシティ・チヨダ城跡地付近 | |
秋葉市之助 | ――はぁ、はぁ。 |
秋葉ひなぎく /通信 | やりました!! 流石です、市之助兄様っ!! |
秋葉市之助 | 才蔵、プログラムを! |
秋葉才蔵 /通信 | もうやってる! ここをこうして…! |
秋葉才蔵 /通信 | よし、書き換え完了! 他のドローン達の様子は!? |
三田三太郎 /通信 | 全機、停止してるぞ! |
秋葉ひなぎく /通信 | 私の近くの子達もです! |
千住百一太郎 /通信 | 俺の方も、大人しくなったぜ! |
秋葉市之助 | そうか… 皆の者、ご苦労でござった! |
秋葉市之助 | そして、ドローン達もお勤めご苦労… あとのことは、我々に任せるでござる。 |
秋葉才蔵 /通信 | …さて、あとはXBギアを持ち帰るだけだね。 |
秋葉才蔵 /通信 | まさか、ビームバットが見つかるとは 思ってなかったけど…。 |
秋葉才蔵 /通信 | これなら、王次郎様に胸を張って お渡しできるんじゃない? |
秋葉市之助 | ……………… |
秋葉ひなぎく /通信 | どうかしましたか、兄様。 |
秋葉市之助 | …いや。 |
![]() | |
秋葉市之助 | 王次郎様は、このようなものを受け取って 本当に喜んでくださるだろうか? |
秋葉才蔵 /通信 | は? 何言ってんの? みんなで相談して、必死に探してたじゃん。 |
秋葉市之助 | それは、そうなのだが…。 |
秋葉市之助 | 才蔵が調査をしてくれている間に あるものを見つけてしまって…。 |
時間経過 | |
秋葉才蔵 /通信 | …そっか、次期当主候補の研究資料ね…。 |
秋葉市之助 | 我々にとって、王次郎様と出会えたことは 幸福以外の何物でもない。 |
秋葉市之助 | だが、王次郎様にとって鳳家での記憶は 忌まわしきものなのではないだろうか…? |
千住百一太郎 /通信 | …そう思う気持ちもわかるけどよぉ。 それでも、持って帰っていいんじゃねぇか? |
千住百一太郎 /通信 | 色々事情はあるだろうけど、そのバットが XBギアってことに変わりはねぇだろうし。 |
千住百一太郎 /通信 | それに、お前らがQを何より大事に思ってるってことは ちゃんと伝わると思うぜ? |
三田三太郎 /通信 | フッ、いいこと言うじゃねぇか。 |
三田三太郎 /通信 | 俺も百一太郎に賛成! 昔のことはわかんねぇし、もうどうにもできねぇ。 |
三田三太郎 /通信 | だけど、今のQは過去を乗り越えて みんなの前で立派に名乗ってみせただろ? |
三田三太郎 /通信 | そんな強いやつなら、きっと大丈夫! お前らの主を信じてやれよ。 |
秋葉市之助 | おふたりとも…! |
秋葉市之助 | わかったでござる、では…。 |
市之助がビームバットを手に取る | |
秋葉市之助 | 帰ろう、主のもとへ!! |
シーン10 | |
hina☆cafe付近 | |
秋葉市之助 | …ん? |
秋葉才蔵 | お帰り。 みんな、お疲れ様。 |
秋葉市之助 | ただいま。 わざわざ待っていてくれたのか? |
秋葉才蔵 | まぁね。ドローンのプログラム、あらためて調整してさ。 しばらく戦闘訓練に使えるようにしたから、その連絡。 |
秋葉才蔵 | テレメトサイトを借りてる間は 繰り返し訓練できるよ。 |
秋葉市之助 | おお、本当か! それは助かる。 |
秋葉才蔵 | あと…。 |
秋葉才蔵 | 今さっき、王次郎様とカズキさんが来てね。 まだ中で喋ってる。 |
秋葉ひなぎく | ひゃわっ!? ほ、本当ですか!? 心の準備が…! |
三田三太郎 | ったく…市之助もひなちゃんも、ずーっと 震えてんだよ。王次郎に会うのが怖い~って。 |
三田三太郎 | けど、才蔵もいるなら安心だな。 3人で胸張って、ビームバット渡してこい! |
秋葉市之助 | む? 三田殿と百一太郎殿は 一緒に行かないのでござるか? |
千住百一太郎 | ああ。さっき、三田と相談したんだよ。 ここで俺らも行くのは、ちょっと野暮じゃね? って。 |
千住百一太郎 | ドローン退治してたのも、バレるかもしれねぇしさ。 |
三田三太郎 | そ・れ・に~…。 |
三田三太郎 | 今だったら、まだメイド店長の ラーメン屋が空いてるんだよなぁ~っ!! |
三田三太郎 | 夕飯にはちょっと早えけど、腹ごしらえしてくるわ! 帰ってきたら、上手くいったか教えてくれ! |
秋葉市之助 | 承知でござる。 では、この礼はまた改めて。 |
三田三太郎 | おう! 気張っていけよ、お前ら! |
三田と百一太郎が立ち去る | |
秋葉市之助 | …よし、では…。 |
秋葉市之助 | 我々も、行くか!!! |
hina☆cafe・店内 | |
秋葉市之助 | おふたりとも、お話中 失礼するでござる!! |
秋葉市之助 | 少しばかり、お時間を頂戴したく…! |
Q | …? 構わないが。 |
青山カズキ | どうしたの? 改まって。 |
秋葉市之助 | 実は、お渡ししたいものがありまして…。 |
市之助がビームバットを取り出す | |
青山カズキ | それは… もしかして、ビームバット!? |
青山カズキ | 一体どこに…。 |
秋葉市之助 | チヨダ城跡地で発見しました。 恐らく、王次郎様のために新しく開発されたものかと。 |
秋葉市之助 | 差し出がましいかとは思ったのですが 我らとしては、主にお渡ししたいのでござる。 |
Q | ……………… |
Q | ありがとう、だが…。 |
Q | こんな立派なXBギア、なぜ私に…? |
秋葉ひなぎく | えっ…。 |
秋葉ひなぎく | 何を仰るのですか! だからこそ、お渡ししたいのです! |
秋葉ひなぎく | 王次郎様のために作られたバットなのですよ…? |
Q | ああ。だから…。 |
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Q | 《鳳王次郎》のために作られたビームバットだろう? |
秋葉ひなぎく | そう… え…? え??? |
秋葉才蔵 | …もしかして、ふざけてます? |
Q | ……………… |
Q | すまない、なんの話か…。 |
秋葉三兄妹 | ……………… |
青山カズキ | …はぁ。 |
青山カズキ | 市之助くん、ちょっと話そうか。 |
青山カズキ | 才蔵くんと、ひなぎくさんも一緒に。 |
秋葉市之助 | …承知した。 |
Q | カズキ、私は…。 |
青山カズキ | Qはここで待ってて。 すぐ戻るから。 |
青山カズキ | そうだ。冷めちゃったから、お茶でも淹れ直してよ。 この3人の分も。 |
Q | …わかった。 |
シーン11 | |
hina☆cafe・店前 | |
青山カズキ | …さて、と。 何から話そうかな…。 |
才蔵&ひなぎく | ……………… |
秋葉市之助 | …カズキ殿、もしやとは思うのですが…。 |
秋葉市之助 | 王次郎様は、記憶喪失…なのですか…? |
青山カズキ | …それに近い状態、かな。 詳しいことは、僕にもわからないけれど。 |
青山カズキ | ただ、曲田と決着をつけるため、 ひとりでU-DXロボに立ち向かったあの日。 |
青山カズキ | 戻ってきた王次郎は、すでに自分のことを 『Q』だと認識していた。 |
青山カズキ | 『鳳王次郎』だった過去をすっかり忘れてね。 |
秋葉ひなぎく | そ、そんな…っ!? |
秋葉ひなぎく | じゃあ、私達が話しかけたとき緊張していたのも… どこか避けられているように感じていたのも…。 |
秋葉ひなぎく | 全部全部…っ、気のせいではなかったと!? 記憶が、なくなってしまったから…。 |
秋葉ひなぎく | 私達との絆を… 忘れてしまったからだと言うのですか!!? |
青山カズキ | …ごめんね。 |
秋葉ひなぎく | !!! |
秋葉ひなぎく | 嘘です…嘘ですよ…っ! 王次郎様が、記憶喪失だなんて…っ!! |
秋葉ひなぎく | 私は信じません!!! そんなこと、絶対にッ!! |
秋葉市之助 | 落ち着け、ひなぎく。 そう騒いでは、周りの目を引く。 |
秋葉ひなぎく | 落ち着け!? 兄様はなぜ平気な顔をしているのですか!? |
秋葉ひなぎく | 主の記憶が失われたんですよ!? それなのに――! |
秋葉市之助 | 主の危機こそ我らの出番。 どんな状況であっても…。 |
秋葉市之助 | 一生お仕えすると、誓ったではないか。 |
秋葉ひなぎく | …っ! |
秋葉ひなぎく | 取り乱して、申し訳ありません…。 |
秋葉市之助 | 失礼した、カズキ殿。 …実は今日、こちらも見つけてしまったのだが…。 |
市之助がカズキに資料を手渡す | |
青山カズキ | うわぁ… 当主候補の資料? こんなのあったんだ。 |
青山カズキ | 僕も初めて見たよ。 持ってきてくれて、ありがとう。 |
青山カズキ | ……………… |
青山カズキ | あのさ、忍者って 火遁の術とか使えたりする? |
秋葉才蔵 | え? |
青山カズキ | 火、持ってないかなと思って。 |
秋葉ひなぎく | あ…少し前に、ご主嬢様が 忘れていったライターならありますが…。 |
青山カズキ | それでいいや、貸して。 |
カズキが資料に火を付ける | |
秋葉市之助 | なっ!? いいのでござるか? |
青山カズキ | せっかく記憶が失くなったのに、 こんなもの見せて、悩ませたくないからね。 |
青山カズキ | 今回のことは、僕だって解せないけど…。 |
青山カズキ | この過去を忘れてしまえたことは 王次郎にとって、幸せなことなのかもしれない。 |
秋葉才蔵 | あの…王次郎様の記憶のことは 他のトラッシュメンバーは知らないの? |
秋葉才蔵 | 少なくとも、三田さんと百一太郎は 変化にすら気付いてなかったみたいだけど。 |
青山カズキ | そうだね。 迷ったけど、変に混乱させたくなかったんだ。 |
青山カズキ | 王次郎も、トラッシュのみんなも… 大変な状況が続いてるからね。 |
秋葉市之助 | カズキ殿…。 |
秋葉市之助 | おひとりで抱えられるのは、さぞお辛かったでしょう。 |
秋葉市之助 | これからは我々3人も、王次郎様… いえ、Q様を共にお支えいたします。 |
青山カズキ | 本当に? 無理してない? |
青山カズキ | …って、言いたいところだけど。 |
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青山カズキ | 正直なところ、助かるよ。 …ありがとう。 |
秋葉才蔵 | …でも結局、このネオチヨダは正しい統治者を 失ったままってことだね。 |
秋葉ひなぎく | 才蔵兄様は、またそういう後ろ向きなことを…! |
秋葉市之助 | だからこそ、我らが支えるのだ。 『ネオチヨダシティを正す』という、そのご意思と共に。 |
秋葉ひなぎく | 市之助兄様…。 |
秋葉市之助 | たとえQ様が記憶を失おうとも、 我らが、そしてネオチヨダの民達が覚えている。 |
秋葉市之助 | 誰かの心に残る限り、 そのご意思は、決して消えぬのだから…。 |
王次郎が歩いてくる | |
Q | 話し中すまない。 かやきえという女性から、伝言を預かった。 |
Q | 「ここに残れるのはあと数日だから 交換物があればそれまでにお願いします」だそうだ。 |
秋葉市之助 | なんと…! わざわざありがとうございます。承知でござる。 |
Q | ……………… |
青山カズキ | どうしたの、Q? |
Q | …いや。 |
Q | 何か、私が迷惑をかけたのではないかと。 もし、そうなら―― |
秋葉市之助 | まさか、滅相もないでござる。 |
秋葉市之助 | 拙者達が、少々勘違いをしており… それを、カズキ殿が訂正してくださったのだ。 |
秋葉市之助 | そうであろう? 才蔵、ひなぎく。 |
秋葉才蔵 | …うん。 だから、そんな顔しないで。Q様。 |
秋葉ひなぎく | Q様が心配するようなことは 何ひと~つないんだお! 安心するにゃあ! |
Q | …そうか。 |
Q | ありがとう。 市之助、才蔵、ひなぎく。 |
秋葉三兄妹 | ! |
鳳王次郎 /回想 | 秋葉市之助、才蔵、ひなぎく…か…。 |
鳳王次郎 /回想 | 覚えておこう。 今後も手を抜かず、鍛錬に励め。 |
秋葉市之助 | 勿体なきお言葉…。 |
秋葉市之助 | 恐悦至極にございます! |
【アートワークス紹介】

